住む前に日当たりを調べる|日照チェッカー · 第01回 / 全10回

マンションの日当たりはどう調べる?内見前に確認したい7つのポイント

執筆 Remosia Inc. 公開 2026-08-02 読了 約7分

この記事の要点

  • 「南向き」は窓の向きを示すだけで、日当たりは方角・周囲の建物・階数・季節・時間帯・窓まわり・現地の7項目で決まる。
  • 7項目は、内見前に地図とアプリで整理できるものと、現地でしか確かめられないものに分かれる。
  • バルコニーの深さ、庇、窓の大きさ、部屋の奥行きはシミュレーションの対象外で、内見でしか確認できない。
街区の一棟へ届く日差しと、物件の日当たりを確かめる視点を表したイラスト

住むマンションを探していると、物件情報で「南向き」「日当たり良好」と書かれた部屋に出会います。ただ、その一言だけでは、自分の暮らしに合う日当たりかどうかまではわかりません。内見で見られるのは、一年のうちの一つの季節、一日のうちの一つの時刻だけです。夏の午前に明るかった部屋が、冬の午後も同じとは限りません。入居後に「思ったより暗い」と感じても、日当たりだけを後から変えることはできません。

「南向き」と書かれた物件でも、それだけでは日当たりを判断できません。方角、周囲の建物、階数、季節、時間帯、窓まわり、現地の7項目を確認しましょう。

結論:方角だけでなく7項目を見る

日当たりは、太陽と窓の間に何があるか、窓が地面からどれくらい高いか、いつ日差しが必要かで変わります。そのため、募集図面の「南向き」だけで良し悪しを決めるのは早計です。

以下の7項目は、内見前に地図やアプリで整理できるものと、内見時に現地で確かめるものに分けて見ます。この二段階で確認すると、限られた時間でも比較しやすくなります。

この見方は、マンションの購入・賃貸だけでなく、戸建てや土地の候補を比べるときにも使えます。

住所検索から現地確認まで、日当たりを確かめる5つの手順

アプリで候補の条件をそろえた後、現地で窓や周囲の状態と照合する流れです。

1. 窓の方角

方角は日当たりを考える出発点ですが、答えそのものではありません。南向きでも正面に建物があれば日差しは遮られます。一方、東向きは朝、西向きは午後に光が入りやすいなど、同じ日照時間でも暮らしとの相性が異なります。

内見時の行動: スマートフォンのコンパスを窓に向け、主な窓が実際にどの方角を向いているかを確認する。

2. 窓の前にある建物(特に南側)

窓の前にある建物は、東側なら朝、西側なら午後の日差しに影響します。特に冬は太陽が低く南寄りを通るため、南側の建物が高いほど影は長くなり、窓に近いほどその影が届きやすくなります。見るべきなのは、建物の有無だけではなく、高さと距離の組み合わせです。

内見前の行動: 主な窓ごとに、日差しを遮りそうな建物のおおよその階数と、道路・駐車場を挟むかをメモする。

3. 部屋の階数

同じ建物、同じ方角でも、階数が上がると周囲の建物の影を抜ける場合があります。ただし、「○階以上なら安心」という共通の境目はありません。向かいの建物の高さや距離が違えば、影を抜ける階も変わるからです。

内見前の行動: 候補の階と、その上下の階をアプリで切り替え、日照スコアと月別の差を見比べる。

4. 季節

夏の内見で日差しが入っていても、冬まで同じとは限りません。冬は太陽の位置が低くなり、建物の影が長く伸びます。夏には影響しなかった向かいの建物が、冬には窓への日差しを遮ることがあります。

内見前の行動: 12か月の日照グラフで、夏の月と冬の月を一度に比較する。

5. 日が入る時間帯

一日の合計日照時間が長くても、必要な時間に日が入るとは限りません。在宅勤務なら昼、朝食や洗濯を重視するなら朝、帰宅後の時間を重視するなら午後など、役立つ時間帯は暮らし方で違います。

内見前/内見時の行動: 重視する時間帯を一つ決め、その時間の日差しを確認する(内見、またはProの時間帯別タイムライン)。

6. バルコニーと窓

日差しが建物まで届いても、深いバルコニーや軒、奥まった窓が室内への入り方を変えます。間取りや窓から部屋の奥までの距離も、体感に影響します。これらはアプリの日照計算の対象外なので、現地確認が必要です。

内見時の行動: 窓辺から部屋の奥まで歩き、バルコニー、軒、窓の奥まり、間取りによる光の変化を目で追う。

7. 現地での確認

直射日光が入ることと、部屋全体が明るく感じられることは同じではありません。空から届く光、壁や床の色、窓の大きさなどで、直射日光がない時間でも明るく感じる部屋があります。反対に、日が差していても部屋の奥が暗いこともあります。

アプリは選択地点・階数で周辺建物による直射日光の遮りを計算しますが、樹木、将来の建設計画、実際の窓の大きさ・配置、室内の奥行きは反映しません。

内見時の行動: アプリの結果と、窓辺の直射日光・部屋全体の明るさを並べて照合する。

アプリで候補地を確認する

日照チェッカーでは、地図、住所検索、現在地から場所を選べます。日照スコアと12か月グラフの確認、階数の変更は無料です。確認回数に上限はないため、購入でも賃貸でも候補ごとに何度でも確認できます。

住所・階数・12か月の日照結果を確認できる日照チェッカーの画面

無料画面では、選んだ住所と階数に対する日照スコア、12か月の推移を確認できます。表示値は画像の地点・10階・全方角という設定条件に基づく参考値です。15分単位のタイムライン、3Dシャドウ、方角フィルタはPro機能です。

日照の計算は端末内で行われます。ただし、PLATEAUデータのダウンロードと、Appleのサービスを使う住所・現在地検索にはネットワーク接続が必要です。完全なオフライン動作ではありません。

PLATEAUの建物データに対応していない地域では、建物による遮りを含まない参考値が表示されます。対応地域でも、結果は設定条件とデータに基づく参考情報として使い、候補を絞った後は現地で確かめるのが基本です。

内見チェックリスト

  • コンパスで主な窓の方角を確認した
  • 主な窓の前で、日差しを遮りそうな建物の階数と、道路・駐車場を挟むかを確認した
  • 対象階とその上下階の日照スコア・月別推移を見比べた
  • 朝・昼・午後のうち、暮らしで重視する時間帯を決めた
  • 内見時刻の日差しと、ほかの時間帯の見込みを確認した
  • 冬の内見、または12か月グラフで季節差を確認した
  • バルコニー、軒、窓の奥まり、部屋の間取りを確認した
  • アプリの結果と、現地の直射日光・部屋全体の明るさを比較した

日照チェッカーについて

日照チェッカーは、地図で選んだ地点と階数について、周辺の建物による遮蔽を含めた日照時間を計算する iPhone / iPad アプリです。地点検索、階数の変更、12か月の月別グラフ、建物詳細は無料で使えます。日照の計算は端末内で行います。

本記事に載せた日照の数値は、PLATEAU の整備時点の建物データと、記事内に記した設定条件に基づくシミュレーションです。窓、庇、バルコニー、室内の奥行き、樹木、将来建つ建物、天候は計算に含まれません。購入・契約前には現地でも確認し、重要な判断では専門家にもご相談ください。出典: 国土交通省 PLATEAUウェブサイトを加工して利用。