住む前に日当たりを調べる|日照チェッカー · 第02回 / 全10回
物件の日当たりをiPhoneで調べる方法|無料の日照チェックを試してみた
この記事の要点
- 住所検索か地図の長押しで地点を選び、階数を変えながら12か月の日照グラフを無料で確認できる。日照チェックの回数に上限はない。
- 年間平均は各月15日の日の出から日没までを15分刻みで判定した12日分の単純平均で、365日の実測平均でも天気予報でもない。
- 日照の計算は端末内で行うが、住所検索と PLATEAU 建物データの取得には通信を使う。完全オフラインで動くわけではない。

物件を探していると、方角も階数もばらばらな候補が、3件、4件と手元にたまっていきます。内見の予約を取れるのは週末だけで、全部を同じ時間帯に見ることはできません。こうしたとき、手元のiPhoneで先に条件をそろえて比べておくと、実際に足を運ぶ候補を絞れます。
iPhoneで住所や地図上の地点を選び、階数と月を変えながら日当たりを比較できます。無料で確認できる範囲と、使う前に知りたい制約を順に見ていきます。
日照チェッカーでわかること
日照チェッカーは、指定地点に直射日光が届く時間を、太陽の軌道と周辺建物から計算するiPhoneアプリです。住所や地図上の地点を選び、候補住戸の階数を設定すると、日照スコア、年間平均、12か月の月別グラフを確認できます。
年間平均は、利用時点の年について、各月15日の日の出から日没までを15分刻みで判定した12日分の結果を単純平均したものです。365日の実測平均や天気予報ではありません。0〜100のスコアとS〜Dのランクも、候補を同じ条件で比べやすくするアプリ独自の指標です。住み心地、物件価値、日照の確率や公的等級を表すものではないため、数字だけで合否を決めないようにします。

中央区晴海5丁目4-4・10F・全方角の一例。低い高さで開いたシートには地図、住所、建物、スコア、年間平均と月別グラフの一部が見えます。下の内容が切れているときは、上端のハンドルを上へドラッグしてシートを大きく展開し、月別グラフ全体や下部の情報を確認してください。この値は他の地点や住戸に当てはまる一般値ではありません。
無料でできること
現在の実装では、住所・地点検索、地図からの地点指定、全方角の日照計算、階数変更、12か月グラフ、建物詳細、お気に入り、住所テキストの共有受け取りを無料で使えます。日照チェック自体に回数上限を設けていません。お気に入りは最大1,000件です。
ただし「回数上限なし」は、通信の成功や常時利用を保証する意味ではありません。住所検索や建物データ取得は、通信状態や外部サービスの応答によって失敗することがあります。

共有した住所を受け取った場合も、自分でアプリを開き、建物と階数を確認してから結果を保存します。
住所を検索する
画面上部の「住所を検索...」をタップし、住所、施設名などを入力します。候補はAppleのMapKitによる住所・地点検索です。計算したい候補を一覧から選ぶと地図が移動し、その地点の処理が始まります。検索語を入力してキーボードの検索キーを押すだけではなく、表示された候補を選びます。
地点を含む建物候補が1棟なら自動で選ばれ、複数なら「あなたの建物を選んでください」と表示されます。地図上の形や高さを見て対象を選び、「この建物で計算」をタップします。
保存された検索履歴は端末内に最大20件保持され、検索欄が空のときは新しい5件が表示されます。履歴はスワイプで削除でき、クラウド同期を前提にした機能ではありません。
地図で地点を選ぶ
住所が確定していない土地や建物の一角は、地図を0.5秒ほど長押しして指定します。赤いピンが立ち、住所の逆検索、建物データ取得、日照計算へ進みます。PLATEAU対応地域では、ピンを中心に周囲300mの建物を検索します。
右下の現在地ボタンは現在地へ地図を移すだけで、計算地点にはなりません。移動後に調べたい位置を長押ししてください。通常の1回タップも地点確定には使われません。
階数と月を変える
結果シートを上まで広げ、右側の階数表示をタップします。対象建物を特定できた場合は、取得した地上階数または高さから推定した階数まで、特定できない場合は1〜100Fから選べます。階数を変えると、同じ地点の観測高さを変えて再計算します。
月別グラフの棒をタップすると月を選択できます。まず年間平均で大きな傾向を見てから、冬、内見月、在宅時間が長い月などを同じ階数で比較すると読み違えにくくなります。月の値も、その年の各月15日を15分刻みで計算したシミュレーションです。
結果を保存する
住所の横にあるハートをタップすると、地点、階数、スコア、年間平均、月別結果などが端末内のお気に入りへ保存されます。同じ地点でも階数が違えば別の候補として扱われます。「お気に入り」タブから開き直せ、ハートをもう一度タップするか一覧をスワイプすると削除できます。
保存上限は1,000件です。お気に入りと検索履歴は端末内のSwiftDataストアに置かれ、独自のクラウド同期機能はありません。重要な比較条件は別にも記録しておくと安心です。
共有した住所を開く
共有元が住所をプレーンテキストとして渡せる場合は、iOSの共有シートで「日照チェッカー」を選べます。共有拡張は最初のテキスト項目全体を一時保存します。「共有しました」と表示され、約1.5秒後に共有元へ戻ります。その後、自分で日照チェッカーを開くと、アプリが地図タブへ切り替え、そのテキストをAppleの地点検索へ渡し、最初の候補から計算を始めます。受け取った項目は一度処理すると共有領域から削除されます。
対応しているのはプレーンテキストです。リンクだけ、画像、PDFを受け取ってページ内の住所を抽出する機能ではなく、すべてのブラウザや不動産サイトのリンクをそのまま開けるわけでもありません。長い説明文や複数住所をまとめて共有すると意図しない候補になることがあるため、住所だけを共有するのが確実です。
Proで詳しく見る
Proでは、窓やバルコニーの向きを想定して中心方角と30〜180°の範囲を指定する方角フィルタ、選んだ月の日照有無を15分枠で見るタイムライン、PLATEAUの建物と影を月・時刻を変えて見る3Dシャドウを使えます。方角フィルタは直射日光を数える方角を絞る機能で、窓面への入射量や室内照度を測るものではありません。

中央区晴海5丁目4-4・10Fで、南・範囲90°を指定したPro機能の一例。画面にはスコア61・B、年間平均4.1時間/日、2月5.2hが表示されています。この一条件の結果であり、南向きや10F一般の値ではありません。

中央区晴海5丁目4-4・10F・全方角の一例。年間平均10.1時間/日、選択した2月は10.2hです。12か月グラフは無料、2月の時間帯別タイムラインはPro機能です。

中央区晴海5丁目4-4のPLATEAU対応地点で、選択建物をオレンジ色にした2月・12:00の3Dシャドウ画面。3DはPro機能で、方角フィルタとは独立した表示です。
Proの利用料金や提供条件は変わる可能性があるため、購入前にApp Storeとアプリ内の最新表示を確認してください。
利用時の注意
PLATEAU対応地域では、観測点から300m以内の建物を使って遮蔽を判定し、観測点を含む自建物候補は遮蔽物から除外します。未対応地域では建物による遮蔽を含まない天文計算のみの参考値となり、PLATEAU建物を使う3D表示も利用できません。対応地域でも、PLATEAUの整備時点や建物データの状態により現況と差が生じます。
計算には、窓の大きさ、庇、バルコニー、室内の奥行き、樹木、将来建つ建物、雲や雨などの天候は含まれません。直射日光の判定であり、部屋の明るさや暖かさ、洗濯物の乾き方を保証するものでもありません。
独自バックエンドを持たず、日照計算はiPhone内で行います。一方、住所・施設の検索と住所の逆検索にはAppleの標準サービス、PLATEAUカタログと3D建物データの取得にはネットワーク通信を使います。取得した建物データや結果の一部は端末にキャッシュされますが、「完全オフライン」「通信しない」という意味ではありません。
確認の全体像は物件の日当たりを調べる7つのポイント、土地の候補を地図で比べる流れは土地購入前の確認手順も参考にしてください。
日照チェッカーについて
日照チェッカーは、地図で選んだ地点と階数について、周辺の建物による遮蔽を含めた日照時間を計算する iPhone / iPad アプリです。地点検索、階数の変更、12か月の月別グラフ、建物詳細は無料で使えます。日照の計算は端末内で行います。
本記事に載せた日照の数値は、PLATEAU の整備時点の建物データと、記事内に記した設定条件に基づくシミュレーションです。窓、庇、バルコニー、室内の奥行き、樹木、将来建つ建物、天候は計算に含まれません。購入・契約前には現地でも確認し、重要な判断では専門家にもご相談ください。出典: 国土交通省 PLATEAUウェブサイトを加工して利用。