住む前に日当たりを調べる|日照チェッカー · 第04回 / 全10回

晴海の方角指定で日照を検証|年間平均2.2時間、7月4.8時間

執筆 Remosia Inc. 公開 2026-08-02 読了 約8分

この記事の要点

  • 中央区晴海の一地点・10F・方角119°・セクター幅90°では、年間平均2.2時間/日、7月4.8時間、1月0.2時間だった。
  • 同じ地点の全方角の値は記録していないため、この数字を方角の絞り込みと建物の遮蔽に振り分けることはできない。
  • 一座標・一建物・一設定の結果で、晴海全体やタワーマンション一般に当てはまる値ではない。
晴海の水辺に立つ高層住宅と東南東へ開く日照範囲を表したイラスト

湾岸の高層マンションを検討していると、「海側だから遮るものがない」「高層階なら日当たりは十分」という印象が先に立ちます。ただ、窓が向いている方角に太陽がいるのは、一日のうちの一部の時間です。印象と数字がどれくらい違うのかを、一つの地点で確かめました。

結論からいうと、中央区晴海の検証地点では、10F・方角119°・セクター幅90°で、日照チェッカーの年間平均は2.2時間/日でした。ただし7月は4.8時間。これは2026年7月22日に確認した一地点・一建物・一条件だけのシミュレーションで、晴海全体の値ではありません。

日当たりを読むには、太陽の方角、季節、周囲の建物、確認する階を同じ条件でそろえて見る必要があります。

今回は、住所表示が中央区晴海1丁目8-16、座標35.6574, 139.7822の地点を検証しました。選択建物は、画面上で高さ49.6m、推定16階、商業施設と表示されたPLATEAU対応建物です。住宅や特定の私有物件の品質評価ではなく、方角指定の数字を読むためのケーススタディです。

検証日は2026年7月22日。条件は次のとおりです。

  • 地点・階数:中央区晴海1丁目8-16、10F
  • 方角・セクター幅:119°、90°
  • 年間平均:2.2時間/日
  • アプリ表示の最良月:6月(4.8h)
  • アプリ表示の最悪月:1月(0.2h)

方角指定ではなぜ一日中にならないのか

この2.2時間/日は「晴海で太陽が出ている時間」でも、「建物全体に日が当たる時間」でもありません。10Fの地点で、太陽が指定方角の範囲にいる時間へ絞り、PLATEAUの建物データから周囲の建物による遮蔽を判定します。

太陽は一日中同じ方向にはいません。視界が開けて見えても、太陽が指定範囲の外にいる時間は結果に入らず、範囲内でも周辺建物に遮られれば日照として数えられません。

この数字だけで「周辺建物に遮られた」「窓の向きが悪い」とも断定できません。方角による絞り込みと建物遮蔽の両方を含むためです。実際の窓、バルコニー、庇、室内、樹木、将来の建築計画は計算に含まれません。

太陽が119°方向にいる時間

方角指定は119°、セクター幅は90°です。中心から左右45°、つまり119°±45°の範囲に太陽がいる時間を計算対象にします。

119°は検証で指定した方角の中心です。特定住戸の窓や、実際の眺望方向を測った値ではありません。候補物件では、図面や現地で主な窓・バルコニーの向きを確認して設定します。

方角フィルタはPro機能です。選んだ方角からの直射日光を近似するもので、ガラス面への入射や室内の明るさまでは再現しません。

北を0度として、中心方位119度・幅90度の評価範囲74度から164度を示す方位図

中心119°から左右45°、74°〜164°を評価する条件です。実際の窓方向は図面や現地で確認します。

中央区晴海1丁目8-16の10階、方角119°・セクター幅90°で、7月15日の4.8時間を示す時間帯別タイムライン

中央区晴海1丁目8-16・10階・方角119°/セクター幅90°・7月15日。日照4.8hと時間帯別タイムラインを表示。

時間帯別タイムラインもPro機能です。直射日光が判定された時間帯を15分刻みで確認できるため、合計だけでなく、家で過ごす時間と重なるかを見られます。

全方角との違い

「全方角」は太陽がどの方角にいても対象にし、建物に遮られず地点へ届く直射日光を数えます。「方角指定」は太陽が119°±45°にいる時間へ絞ります。同じ日照時間でも数える範囲が違います。

ただし、今回の検証記録では、同じ地点・10Fでの全方角の数値を取得していません。そのため、「全方角なら何時間増える」「方角指定で何時間減った」という比較値は示せません。2.2時間/日と4.8hだけを使って、差を方角または建物遮蔽のどちらか一方に割り振ることもできません。

候補物件では、地点、階数、月を固定し、無料の月別グラフで全方角を見た後、Proの方角フィルタで主な窓方向へ絞ると読み比べやすくなります。

月別結果

12か月の画面表示値は次のとおりでした。

日照時間
1月0.2h
2月0.5h
3月1.2h
4月3.8h
5月4.5h
6月4.8h
7月4.8h
8月4.2h
9月2.2h
10月0.2h
11月0.2h
12月0.2h

アプリの表示ではベスト月が6月、ワースト月が1月です。ただし、小数第1位までの表示では6月と7月が4.8hで同率、1月・10月・11月・12月が0.2hで同率です。ベスト・ワーストのラベルは、同率の月を除外する意味ではなく、アプリが選んで表示した代表月として読んでください。

中央区晴海1丁目8-16の10階、方角119°・セクター幅90°における全12か月の結果。選択した7月は15日の計算値

中央区晴海1丁目8-16・10階・方角119°/セクター幅90°。全12か月を表示し、対象は7月15日の計算値。

年間平均の2.2時間/日は、各月15日の1日について、日の出から日没まで15分間隔で判定した日照時間を、12か月分単純平均した指標です。現地で毎日測った実測365日平均ではありません。天候を予測した「晴れる時間」でもなく、設定地点に直射日光が届くかを、太陽軌道と建物データから計算した値です。

無料の12か月グラフに表示する各月の日照時間も、この15分間隔の判定から算出します。一方、判定された時間帯を15分刻みで一覧できるタイムラインはPro機能です。計算間隔と、詳細を見せる機能の区分を分けて読みます。

3Dで遮蔽物を確認

次に周辺建物との位置関係を3Dで確認します。3DシャドウはPro機能で、PLATEAUの建物モデルと影を同じ画面で見られます。データ画面では119°・90°を設定していますが、3D表示は方角フィルタとは独立しています。

中央区晴海1丁目8-16で、7月15日12:00の周辺建物と影を表示した3D画面

検証地点は中央区晴海1丁目8-16。データ画面は10階・方角119°/セクター幅90°。3Dは方角フィルタと独立して7月15日12:00の周辺建物と影を表示。

3D画面が示すのは、119°±45°の扇形だけに生じる影ではなく、7月15日12:00の周辺建物と影です。この一場面だけでは年間平均の原因を説明できないため、朝夕や冬は日時を切り替えて見ます。

今回の地点はPLATEAU対応で、建物属性と3Dシーンを確認できました。PLATEAU未対応地域では、周辺建物による遮蔽を含まない参考値が表示されます。また、対応地域でも、PLATEAUの整備時点や建物データの状態により、現在の街並みと差が生じる場合があります。

この実例からわかること

この晴海の例から読み取れるのは、「高い階だから安心」という印象を、方角・階数・季節・周囲の建物に分けて確認する必要があることです。10F、119°、90°という条件では、年間平均2.2時間/日に対して7月は4.8hでした。年平均だけでも、最良月だけでも、季節を通じた暮らし方は判断できません。

候補地を確認するときは、次の順で見ると整理しやすくなります。

  1. 住所と地図上の地点が、確認したい建物に合っているかを見る。
  2. 候補の階数に合わせる。
  3. 無料の12か月グラフで季節差を確認する。
  4. 主な窓・バルコニーの向きが分かる場合は、Proの方角フィルタで範囲を絞る。
  5. 必要に応じて、Proの時間帯別タイムラインと3Dシャドウで、生活時間と周辺建物の関係を見る。
  6. 最後は現地で、窓、庇、バルコニー、室内の奥行き、実際の建物を確認する。

方角だけで日当たりを判断しない理由は、南向きでも日当たりが悪くなる5つの原因で詳しく説明しています。候補物件を調べる手順全体は、物件の日当たりを調べる7つのポイントもあわせてご覧ください。

日照チェッカーについて

日照チェッカーは、地図で選んだ地点と階数について、周辺の建物による遮蔽を含めた日照時間を計算する iPhone / iPad アプリです。地点検索、階数の変更、12か月の月別グラフ、建物詳細は無料で使えます。日照の計算は端末内で行います。

本記事に載せた日照の数値は、PLATEAU の整備時点の建物データと、記事内に記した設定条件に基づくシミュレーションです。窓、庇、バルコニー、室内の奥行き、樹木、将来建つ建物、天候は計算に含まれません。購入・契約前には現地でも確認し、重要な判断では専門家にもご相談ください。出典: 国土交通省 PLATEAUウェブサイトを加工して利用。