住む前に日当たりを調べる|日照チェッカー · 第06回 / 全10回

同じ建物でも1階と5階でどう変わる?用賀の一地点で日照を比較

執筆 Remosia Inc. 公開 2026-08-02 読了 約8分

この記事の要点

  • 世田谷区用賀の同じ建物・全方角で1Fと5Fを比べると、年間平均は9.0時間から11.6時間へ2.6時間ぶん変わった。
  • 差は季節で動き、1月は+4.0h、7月は+2.0h、12か月では12月の+4.6hが最大、5月の+1.3hが最小だった。
  • 一地点・一条件での結果で、「5階なら2.6時間増える」と一般化することはできない。
住宅街の同じ建物で影に入る下層と光が届く上層を比較したイラスト

低層階と高層階で迷っている方が「上の階のほうが明るい」と言われても、それが何時間の差になるのかまでは示されません。階が変われば眺望も価格も変わるため、日当たりの差だけを取り出して比べる機会がないからです。

結論からいうと、同じ建物・全方角で1Fと5Fを比べると、年間平均は9.0時間から11.6時間(+2.6)、1月は5.0時間から9.0時間(+4.0)、7月は12.2時間から14.2時間(+2.0)でした。ただし、用賀の一地点・一条件に限る結果です。

そこで、世田谷区用賀の実在地点で、場所や建物を動かさずに1Fと5Fを比較しました。

検証地点は、日照チェッカー上の住所表示が世田谷区用賀4丁目10-1、座標が35.6266, 139.6329の場所です。選択したPLATEAU対応建物は、高さ130.6m、27階建、用途は業務施設と表示されました。この住所は検証地点を再現するための検索基準です。住居としての居住性や、周辺物件の資産価値を評価するものではありません。

比較条件

階数以外の影響をできるだけ混ぜないよう、主比較は次の条件にそろえました。

  • 地点・建物:世田谷区用賀4丁目10-1、同じPLATEAU対応建物
  • 座標:35.6266, 139.6329
  • 建物属性:高さ130.6m、27階建、業務施設
  • 計算年:2026年
  • 評価モード:全方角
  • 比較階:1Fと5F
  • 主画像の対象月:7月15日
  • 表示状態:Expanded、同じデータタブ、同じスクロール位置・画角

全方角は、太陽方位による絞り込みをせず、日照と判定された時間スロットを集計する設定です。全方位の窓や室内への入射時間を示すものではありません。

floor-1.pngfloor-5.pngで変えたのは階だけです。同じ縮尺とトリミングの画像をそのまま掲載しています。補助画像では1Fに戻してから1月を選びました。

まず、年平均と冬・夏の代表月を並べます。差分はすべて「5F−1F」です。

  • 1F:年間平均9.0時間/日、1月5.0h、7月12.2h
  • 5F:年間平均11.6時間/日、1月9.0h、7月14.2h
  • 差分(5F−1F):年間平均 +2.6時間/日、1月 +4.0h、7月 +2.0h
用賀の同じ建物で条件を固定し、1階と5階の年間平均・1月・7月を比較した図

地点・建物・方角を固定し、階だけを変えた比較です。棒はすべて最大15時間の同じ尺度です。

全12か月の画面表示値は次のとおりです。棒グラフの高さから推測せず、検証時に記録した小数第1位の値を転記しています。

1F5F
1月5.0h9.0h
2月7.5h9.8h
3月8.5h11.5h
4月11.2h12.8h
5月12.5h13.8h
6月12.2h14.5h
7月12.2h14.2h
8月11.8h13.2h
9月9.8h12.0h
10月8.0h10.2h
11月5.5h9.2h
12月4.2h8.8h

ここでいう年間平均は、2026年の各月15日の1日について、日の出から日没まで15分刻みで直射日光の有無を計算し、その12か月分を単純平均した値です。現地で毎日測定した実測365日平均ではなく、天気による晴天時間の予測でもありません。

1Fの結果

1Fの年間平均は9.0時間/日でした。ベスト月は5月の12.5h、ワースト月は12月の4.2hです。主画像で選んだ7月は12.2hでした。

世田谷区用賀4丁目10-1の1F・全方角で、7月15日の日照12.2hと年間平均9.0時間を示す画面

世田谷区用賀4丁目10-1・1F・全方角・7月15日。年間平均9.0時間/日、7月12.2h。画面内の時間帯別タイムラインはPro機能です。

1Fでも夏の表示値は長い一方、1月は5.0h、12月は4.2hまで下がりました。この一地点では、年間平均だけを見るより、月別グラフで冬の値も確認する必要があることが分かります。ただし、実際の室内で同じ時間だけ日差しを感じるという意味ではありません。

5Fの結果

同じ地点で階だけを5Fへ変えると、年間平均は11.6時間/日でした。ベスト月は6月の14.5h、ワースト月は12月の8.8hです。7月は14.2hで、1Fより2.0h長い結果でした。

世田谷区用賀4丁目10-1の5F・全方角で、7月15日の日照14.2hと年間平均11.6時間を示す画面

世田谷区用賀4丁目10-1・5F・全方角・7月15日。年間平均11.6時間/日、7月14.2h。

年平均では5Fが1Fを2.6時間/日上回りました。しかし、ここから「5階なら一般に2.6時間増える」とは言えません。結果は、この建物、この座標、全方角という設定で得たものです。

差が大きい時間帯は未取得、月別差は確認できる

全12か月の表示値から5F−1Fを計算すると、差の最大は12月の+4.6h、最小は5月の+1.3hでした。1月は+4.0h、7月は+2.0hです。これは用賀の単一地点・一条件での表示値であり、すべての地点で冬の階数差が大きいとは一般化できません。

世田谷区用賀4丁目10-1の1F・全方角で、1月15日の日照5.0hと時間帯別タイムラインを示す画面

世田谷区用賀4丁目10-1・1F・全方角・1月15日。これは1Fで1月を選んだ別キャプチャで、1Fと5Fの比較合成画像ではありません。画面内の時間帯別タイムラインはPro機能です。

この補助画像からは、1Fの1月15日に日照と判定された時間帯を15分刻みで確認できます。一方、同じ1月の5Fタイムラインは記録していません。そのため、「朝に何時間増えた」「午後の差が最大だった」といった1F対5Fの時間帯別比較はできません。比較できるのは、保存した両階の年平均と12か月の月別値です。

階数の変更と12か月グラフは無料で利用できます。時間帯別タイムラインはPro機能なので、無料で候補階を比べる場合は、地点・建物・全方角を固定して両階の同じ月を選び、合計値を控えると条件をそろえやすくなります。

周辺建物との関係

今回の地点はPLATEAU対応で、計算には周辺建物による直射日光の遮りが含まれます。1Fから5Fへ観察位置が上がると、周囲の建物との位置関係が変わり、この地点では各月の表示値も変わりました。

ただし、保存した画面は「全方角」の合計と月別結果を示すもので、どの周辺建物が何時に何分の差を生んだかを分解した証拠ではありません。特定の建物を差の原因と断定せず、今回確認できたのは「同じ建物で階だけを変えたときに表示値が変わった」という範囲に限ります。

PLATEAU未対応地域では、周辺建物による遮蔽を含まない参考値が表示されます。対応地域でも、データの整備時点と現在の街並みが異なる場合があります。

階数だけで断定できない理由

アプリの階数は、選択した建物の情報をもとに観察点の高さを近似する条件です。実際の窓位置そのものではありません。同じ5Fでも、建物の階高、地盤の高低差、向かいの建物の高さと距離が違えば、太陽への通り道は変わります。

さらに、シミュレーションの対象は周辺建物による直射日光の遮りです。実際の窓の向き・大きさ、バルコニー、庇、室内の奥行き、反射光、樹木、将来の建築計画は含まれません。今回の全方角の値を、特定の窓から室内へ入る日差しの時間として読むこともできません。

候補を比較するときは、まず無料の階数変更と12か月グラフで同じ条件をそろえます。そのうえで、図面や現地で窓、庇、バルコニー、周囲の建物、敷地の高低差を確認してください。階数比較の考え方は階数だけでは日当たりを決められない理由、確認項目の全体像は物件の日当たりを調べる7つのポイントで詳しく整理しています。

日照チェッカーについて

日照チェッカーは、地図で選んだ地点と階数について、周辺の建物による遮蔽を含めた日照時間を計算する iPhone / iPad アプリです。地点検索、階数の変更、12か月の月別グラフ、建物詳細は無料で使えます。日照の計算は端末内で行います。

本記事に載せた日照の数値は、PLATEAU の整備時点の建物データと、記事内に記した設定条件に基づくシミュレーションです。窓、庇、バルコニー、室内の奥行き、樹木、将来建つ建物、天候は計算に含まれません。購入・契約前には現地でも確認し、重要な判断では専門家にもご相談ください。出典: 国土交通省 PLATEAUウェブサイトを加工して利用。